妊娠・出産・育児のしあわせ(ハッピー)指南
赤ちゃんとママ、そして、家族みんなの未来がハッピーでありますように!
そんな妊娠、出産、育児のあり方について、胎内記憶の研究で著名な、横浜の池川クリニック院長 産婦人科医、池川明先生からのメッセージをお届けします!
夫婦で予防できる産後のうつについて(2)
今回は産後のうつを予防する方法を横浜市の池川クリニック院長、産婦人科医、池川明先生にお伺いします。
池川先生「私の患者さんで、産後1カ月でうつになってしまった方がいました。お話を伺うと、『旦那さんが何もしてくれない』と言うので、うちのクリニックに旦那さんを連れて来てもらいました。するとその旦那さんは、おむつはかえるし、食事は作るし、お皿は洗うし、パパの鏡みたいな人だったんです。でもお母さんはまだまだ不満な様子で…。
その原因は明らかにコミュニケーション不足でした。つまり、旦那さんはお母さんがうつだから一生懸命家事をやるわけです。でもお母さんが本当に望んでいるのは、家事や育児をやってもらうことではなく、ただそばにいて、話を聞いてもらうことでした。つまり、お互いが何を求めているかがうまく伝わっていなかったんですね。やはり夫婦といえど、自分を他人に置き換えて、お互いの気持はこうだったんだ、と考え、理解し合うことが何より大切です」
でも相手の気持を理解する、共感するって実際すごく難しいことですよね。
池川先生「実は妊娠中はその共感トレーニングができる絶好のチャンス。胎内の赤ちゃんに『なんで来てくれたの?』『お母さんのために来てくれたんだ!来てくれてありがとう!』と話しかけてみてください。もしかしたら『うーん、違うんだけどな、パパのために来たんだけどな』なんて言っているかもしれませんが、基本的にはお母さん自身が相手の気持を分かろうと努力する、身体でメッセージを出す姿勢を見せることが大事です。そういう気持ちを繰り返し寄せるようになると。赤ちゃんも相手の気持ちが分かるようになるんです。
もちろん産後でも大丈夫です。例えば旦那さんがケーキを買ってきたとします。もしあなたが『またこんな余計なもの買ってきて、いらない』と思ったとしても、そこでちょっと相手の気持に目を向けてみるんです。すると『パパは私が辛そうにしているから、何かしてあげたいと思ったんだな、私が喜ぶものを精一杯考えて、ケーキを買って来てくれたんだな』と分かるわけです。ね、うれしいじゃないですか。そうやって何かしてくれた過程を汲んであげると、『ありがとう』という言葉が自然と出るわけです。
このように、お母さんがお腹の赤ちゃんに共感するようになると夫婦関係も良くなります。そして夫婦関係がいいと自然と親子関係も良くなる。そうやって毎日ハッピーに過ごせれば、産後のうつになりにくくなりますよ!」