サンイリオス鍼灸院院長 桑井太陽

自分の身体をもっと知ろう!セルフボディメンテナンス。

桑井太陽先生

鍼灸マッサージ師であり、アスレティックトレーナーのサンイリオス治療室の桑井太陽先生から学ぶ「セルフボディメンテナンス術」
健康かつ正しい姿勢に導くウォーキング術をご紹介します。まずは、カラダの重心とバランス、姿勢の仕組みについて復習しましょう。

カラダが喜ぶウォーキング1 予備知識編

重心と支持基底面(=BOS)を復習

ウォーキング術の前に、まずは『良い立ち方、悪い立ち方』の回でも登場した重心と支持基底面(=
BOS)について、もう一度復習してみましょう。

人間のカラダも一つの物体と考えると、当然、重心があります。それは、身長の55〜56%の高さ、
大体みぞおちのあたりに位置します。
そこから真っ直ぐ下ろした線を重心線と呼び、それが支持基底面(=BOS)内にあれば、
その物体は“安定して静止している状態”といえます。
つまり、人間のカラダでいえば、バランス良く立つ、もしくは座っている状態といえるわけです。
立っている時の支持基底面(=BOS)は両足底面を結ぶスペースであり、座っている時は座面と両足底面になります。
(写真A参照)。

しかし、生活習慣から生まれる姿勢の歪みから、重心がずれ、
支持基底面(=BOS)から重心線がはみ出している人が少なくありません。
それをフォローするために余分な力が入り、腰痛や膝痛、肩痛などカラダの痛みとなって現れるのです。

現代病ともいえる“重心のズレ”

「最近は、後方重心の人が増えています」と語る桑井先生。
パソコンなどを使う長時間のデスクワークを続けている人は、だんだんと円背(=猫背)になり、
頭の位置もやや前になります。
すると、人間のカラダはその姿勢でバランスをとろうとするため、おなかが自然と前に突き出て、
重心が正しい位置よりもやや後ろになります
(写真B参照)。

このように重心のずれた姿勢では、体幹(=Trunkトランク)機能も低下してしまいます。
体幹(=Trunkトランク)とは、上肢・下肢を除いた首・胸・腰・臀部の胴体部分で、
人間の体の主要部分であり重要な部分(詳しくは『産後に気になるお腹まわり』参照)。
その機能が低下したままウォーキングを始めるとどうなるでしょうか?
運動をすればするほど、逆に、カラダのそこかしこに故障が出てしまいます。まさにマイナスの連鎖です。

次回は、“カラダを傷めるマイナス連鎖ウォーキング”の予防法をご紹介しましょう。

取材・執筆 山本知美

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